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2006年5月30日 (火)
収益ではなく経営者に媚びる幹部社員は会社を駄目にする
経営者を尊敬している幹部社員がいた。僕はその企業研修を数年前、請け負ったことがある。僕の研修は収益を上げるにはどうすればいいのかであり、経営者を敬いなさいという内容ではない。事業部再生は企業のあら捜しから始まるようなものなので、幹部社員にすれば面白くない。彼は自社の欠点をあげつらい、切り込んで改善点を指摘し、収益重視の組織に作り変える僕のやり方についてゆけない。
何しろ、その幹部社員の出した店舗ほとんどすべてに什器設定をし、お客様に商品説明をし、従業員研修を行ってきたのだから、従業員が、その幹部ではなく僕にいろいろ相談するのは当然だが、幹部には面白くない。自分がすべてを指導したいと思ったのだろう。従業員が経営者ではなく僕にいろいろ相談されて困ると言った。収益を出せば誰に相談しても良いではないかと思うが違うらしい。
研修は頓挫し、彼は僕から遠ざかり、事業部は改善されないで収益悪化を招き、その後の研修を企画しても参加しなくなった。彼にすれば彼を否定され、経営者を否定されたようなものだが、僕は経営者を尊敬するならば、経営者に媚びるのではなく、収益で恩返しするのが本筋だと思っている。経営者に疎んじられようが社会人は収益という成績で評価されるべきものだ。
数年後、担当者が代わり、僕は再度、研修を頼まれた。しかし、今度も研修内容は収益重視であり、数年前に僕の研修を受けてきた従業員が泣きながら待ち焦がれていたと言ってくれたときに、僕は中堅幹部の態度が業績悪化の原因だと言った。そして、経営者を尊敬すれども収益を出せない幹部社員の教育のあり方に疑問を感じると言った。新たな幹部社員も否定されたと思ったのだろう、研修はまたしても頓挫してしまった。
経営者が一生懸命に社員教育を施せば、社員は経営者を尊敬するが、経営者の一言一句がすべてであり、経営者に気に入られようと行動する。そこには部下を指導し収益を出して部下や事業部を守る態度は微塵もない。そんなことをされて経営者が喜ぶとでも思っているのだろうか?幹部社員は経営者に僕を悪く報告し、収益悪化の原因を僕に転化した。
かつて、僕の会社も同じような時があった。幹部社員は僕を尊敬してくださり、僕に喜んでいただくことを最大の課題として仕事をしていた。案の定、業績は急降下、莫大な赤字を抱える事態にまでなってしまった。当時の幹部社員は収益を出すことが何よりも優先されるという命題を忘れていた。僕に媚びても何の収益も産まないし、部下の信頼を失くしていた。
幹部会議では僕に忠誠を誓って仕事をしてきた幹部社員の仕事が間違っていると指摘したものだから、罵倒され、陰口をたたかれ、憎しみすら持たれた。「BUNちゃん先生を慕っているから、ここまであんたに尽くしてやったんだ!」というのが彼らの気持ちだっただろう。僕はそうした仕事は間違っているし、収益重視で仕事をするものだと言って来たではないかと話したが通じなかった。
経営者に媚びる幹部の下で働く従業員はほとんど僕を憎んでいた。彼らの現場に出向いて、頭を下げて謝罪し、収益改善の組織やシステムや営業などをひとつひとつ対話して行った。企業人の最大の目的は収益であって経営者に媚を売ることではないと断言し、2年間かけて業績を改善し、過去最高の決算をやっと迎えられるようになった。この苦しさがあればこそ、その企業には厳しく指摘したのだろう。


