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2006年6月20日 (火)
世の中には、学問よりも大切なものがある
小学6年生の長女は今年私立中学受験を迎える。進学塾の指導も厳しさを増して母親も必死になって宿題をいっしょになって挑戦している。しかし、それがストレスになり、嫌がる子供に勉強を押し付けるようになると子供は頑強に抵抗しようとする。子供の扱いに困った妻は僕に相談に来た。
僕は躊躇せずに進学塾を休学か退学するように妻に言った。ビックリする妻に、「子供にとって大切なものは、知識ではなく親の愛情だと今は思う。勉強が必要なことはこの1年以上努力してきた娘にはよく分かっている。それでも、体が就いていかないのは、ストレスを抱えすぎて発散できないからだ。」
「人生は何度でも再挑戦できる。有名校進学だけがすばらしい勝ち組じゃない。この世には、学問よりも大切なものがたくさんある。」子供たちには、「友達といっぱい遊んでくればいい、遊び疲れて寝ていてもいい、勉強しなくてもいい、腹の底から笑って遊べるようになりなさい。」と言った。
その日から、長女はゲームをしたり、テレビを観たり、友達や犬と遊んだり、ちっとも勉強しようとしない。妻の我慢も限界点なのだが、それでも遊ばせてごらんと僕は言った。それで有名中学に進学できなくても子供たちは立派に成長してくれる。「腹の底から笑える子供になれ!」と、言ってくれたことを生涯忘れることはない。
親は子供に自分の価値観を押し付けてはいけない。子供は自分で考え、自分で行動し、失敗を体験してやっと理性のある行動を取るようになるものだ。失敗すると分かっていても、あえて失敗させる度量がなければ心の広い大人にはなれない。生きてさえいれば何度でも挑戦できるのだから。
僕は子供たちにいつも話している。「お父さんは、おまえたちがどんなになろうとも必ず守ってあげる。かといって、お父さんの言う事に従わなくていい。おまえたちは、おまえたちの人生をつまづいていいから自分の足で歩いていきなさい。お父さんは、お父さんとは違った生き方をするおまえたちを応援するよ。」
生きていることは悩みの連続だと僕は思う。幾つになっても悟りを得た人物にはなりえないが、発展途上人だと自分のことを思っていれば、他人に対して傲慢になることもないし、自分の弱さを克服しようと努力も出来る。子供たちは子供たちなりに、大人は大人なりに悩んでいるから生きることはすばらしいのだと思う。
子供たちは、毎晩、家事のお手伝いをし、自室で仕事をしているお父さんを見て尊敬してくれる。僕は自分の生き様を子供に見せて大切なものを僕から得ればいいと思って生きている。親の生き様ほどすばらしい教育はない。幾千万もの言葉や付き添いや、優しい言葉よりも、精一杯生きている姿そのものを子供に見せることの方がいい。


