« それぞれのポジションで意見は食い違う | トップページ | 世界同時株安は買いのチャンス »

2007年3月28日 (水)

企業は節税対策を講じない方が儲かる

3月になると法人企業の決算発表が新聞に載ってくる。「あれ!この会社、去年売上日本一を宣言していたんじゃないの?」観ると、多額の赤字に落ち込んでいる。何しろ日本の会社の70%は赤字なのだから、栄枯盛衰は日常茶飯事、有頂天になっている上場企業の経営者が一転して上場廃止に追い込まれる事態も多々ある。明日は我が身と思いながら新聞を読んでしまう。

僕はいろいろな法人会から講演の依頼が多い。講演会後、節税に対する質問が多く、僕は如何様な節税対策を取っているのかと聞かれる。僕は経営者を32年やってきて、いろいろな節税対策を行ってきましたが、現在の会社を立ち上げてからは素直に納税するのがもっとも儲かると確信しておりますとお答えしている。

たとえば、一般ご家庭で考えてみましょう。家計をやりくりしている主婦の方にすれば、もっとも安定して家計を預かれるのは出ていくお金よりも、入ってくるお金の方が多い場合ではないでしょうか。法人企業では、この差額に40%程度の法人税がかかり60%程度しか残せません。そこで、40%の税金を納めないか、できるだけ少なくする方法を考えます。

入ってくるお金と出ていくお金がトントンであれば、もっとしっかり節約して預金を増やしなさいと家計では言われますが、企業ではトントンでいいだろう。必要な時は、金融機関を利用して借りればいいんだというのが一般的な意見です。家計では残ったお金には税金はかけられませんが、法人企業では税金がかかるからです。節税対策はすればするほど企業内にお金が残りません。

ゴルフ会員権やリゾート会員権、高級車や豪華な役員室に美人秘書、ビルの一棟買い、不動産の所有、レバレッジドリース、生命保険、など、経費をたくさん使ってできるかぎり納税額を少なくするものは従業員の結束に影響が出るものがほとんどです。なかには、グループ赤字企業への利益の配分なども行う企業もありますが、いずれ本業に影響が出てきます。

ビジネスは生き物ですからいつ赤字になるか分かりませんし、回復するのにどれほどの労力や資金が必要になるかも分かりません。このとき、自社内にお金があればこれほど心強いものはありません。節約できるものは積極的に節約して、役員高級車などを廃止して、貯めるだけ貯め込んで会社が自由に使えるお金(剰余金)を増やしておく。つまり、しっかり納税することがいちばんの経営となります。

ちなみに僕は100%の自社株を所有している創業者なので、会社の剰余金にも税金が発生します。家庭でいえば節約して貯めたお金に利子がつくのではなく納税が発生するのです。中小企業の方が節税したがる理由の一つです。僕の場合、今年は1500万円程度発生しますが、所得隠しだと思われている時代の産物で、来年度からは廃止される予定です。

2007 03 28 [経営] | 固定リンク